

追浜工場 製造部機関電気課 課長
2025年|中途入社
K.T.
新卒入社の後、一度京浜ドックを離れて、会社経営に携わる経験を持つK.T.さん。
再び戻ってきた今、強く思うのは、会社の未来をつくるのは「人」だということ。
若手が成長し、その若手がまた次の世代を育てる。そんな未来を思い描きながら、今日も現場に立っています。
入社のきっかけ
船の仕事がしたい。
その想いは今も変わらない。
もともと実家が船関係の仕事をしていたこともあり、子どもの頃から船は身近な存在でした。大学3年生頃にゼミで船について学び始めると、漠然としていた興味は「船に関わる仕事をしたい」という思いへと変わっていきました。学ぶほどに船づくりの奥深さや面白さに惹かれ、実際の現場でその仕事に携わりたいと考えるようになったことが、京浜ドックへ入社したきっかけです。
京浜ドックで約6年間働いたのち、家業を継ぐために静岡へ戻ることになりました。仕事には大きなやりがいを感じていたからこそ会社を離れることには葛藤もありましたが、自分にとって大切な節目と考え、新たな環境での挑戦を始めました。
家業では、造船の現場とは異なる立場で会社経営に携わり、人や組織、お金の流れなど、これまでとは違った視点から仕事を見る経験をしました。その経験を通じて、自分の仕事に対する考え方も大きく広がったと感じています。
そうした日々を重ねる中で、ご縁があって再び京浜ドックで働く機会をいただきました。
戻ってきたからには、外で得た経験を会社へ還元したい。会社をもっと良くして、恩返しをしたいという思いがあります。その思いは、今も仕事をする上で一番大きな原動力になっています。
現在の仕事
船の入港から引き渡しまで、
工事全体を見ながら動かす仕事。
現在は製造部機関電気課の課長として、新造船と修繕船の機関部に関わる工事を担当しています。船が工場へ入ると、まず岸壁へ着岸し、その後「シフト」と呼ばれる作業を行います。船を船台へ上げたり降ろしたり、工場内で移動させたりする重要な工程で、部署の垣根を越えて社員全員が協力して進める仕事です。自分も指揮を執りながら、必要な作業に加わります。
担当する工事では、責任者として工程を管理し、お客様との打ち合わせや協力会社の管理、作業内容の確認を行います。現場で作業することもありますが、今の立場で最も大切なのは、一つの作業に没頭するのではなく、工事全体を俯瞰して見ることです。
広い視点で全体を見渡し、必要な場面でサポートすることを常に意識しています。
以前は船体部門の修繕工事を担当しており、現在は機関部門の新造船と修繕船を担当しています。船体と機関の両方を経験している人はまだ多くないので、両方の立場が分かることは、自分の強みだと感じています。
また、工事担当者には現場だけでなく、書類を作成する仕事もあります。修繕船では工事完成書を作り、新造船でも担当者として必要な資料を作成します。若手社員には現場での仕事だけでなく、こうしたデスクワークも含めて、一人前の工事担当者として必要な知識や仕事の進め方を伝えています。

ある1日のスケジュール
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出社
朝礼・グループミーティングを行い、危険予知活動(KY)で当日の作業内容や注意点を確認します。
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作業開始
修繕船・新造船の現場で、作業内容の確認や打ち合わせを行い、現場作業を進めます。
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休憩
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作業再開・進捗確認
現場作業を再開し、進捗を確認しながら必要に応じて作業内容を調整します。
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昼休憩
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作業再開
午後の作業を開始し、各工程の進捗を確認しながら作業を進めます。
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工程会議
現場の進捗状況を共有し、今後の工程や課題について打ち合わせを行います。
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工程確認・段取り
当日の残務を整理し、翌日以降の工程を確認。必要な段取りや作業指示を行います。
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退社
入社して変わったこと
自分の仕事だけではなく、
人を見ることの大切さ。
以前京浜ドックにいた頃は、まずは自分が仕事を覚え、担当する工事をやり切ることに意識が向いていました。しかし、一度会社を離れて家業の経営に携わったことで、仕事に対する考え方は大きく変わりました。
造船所などへ人材を送り出す立場として、人材マネジメントや会社経営に携わったその時の経験は、京浜ドックへ戻った現在の仕事にも大きく生きています。担当業務だけを見るのではなく、人や組織、会社全体を見据えながら判断することを常に意識しています。社外で得た知見を会社へ還元し、京浜ドックのさらなる発展に貢献していくことが、今の自分の役割だと考えています。
人材育成
教育する人が足りない。
だから、自分ができることを始めようと思った。
京浜ドックへ戻ってきてまず感じたのは、20代の社員が以前より増えていたことです。その一方で、若手を育成する中堅世代が少なく、それぞれが多忙なこともあり、教育に十分な時間を割けていないという課題も感じました。
若手社員が増えている今だからこそ、育成を担う存在が必要だと感じています。その役割を、自分も担っていきたいと考えるようになりました。
そう思うようになったのは、家業で若手を育てた経験があったからです。当時は会社の将来を見据え、20代の社員を採用しました。しかし、自分は経営や現場対応に追われ、一緒に働く時間を十分に確保できませんでした。そのため、若手は年齢の離れた職人たちの中で仕事を覚えることになりましたが、分からないことを気軽に聞ける相手が少なく、一人前になるまで寄り添って教えられる環境を十分につくれなかったことが、自分の中では大きな反省として残っています。
もっと一緒に現場へ出て、一人前になるまで見てあげれば良かった。その後悔が、今の若手育成につながっています。
今は、自分が若手を直接育てること以上に、次の世代を担う社員を育てることを意識しています。自分が培ってきた経験や考え方を受け継ぎ、その社員がさらに後輩へ伝えていく。そうした育成の循環を根付かせていきたいです。
答えを渡すのではなく、
考えるためのヒントを伝えていく。
若手社員に伝えているのは、技術だけではありません。仕事内容は経験を積めば、誰でも少しずつ身についていきますが、それ以上に大切なのは、自分で考え、判断できる力を育てることだと思っています。
だから私は、最初から答えを教えることはしません。「こういう考え方もあるよ」とヒントを伝えながら、自分で答えにたどり着けるように意識しています。
もちろん、人によって理解の仕方や成長のスピードは違います。少しのヒントで気付く人もいれば、何度か声を掛けることで理解が深まる人もいます。その人がどこまで理解しているのか、どんな伝え方なら気付けるのかを考えながら、一人ひとりに合わせて接するようにしています。
そうして経験を重ねるうちに、周囲へ気を配り、先を見据えて行動し、報告・連絡・相談が自然にできるようになっていきます。お客様とも自信を持って話せるようになり、自分で考えて行動できるようになっていく。そんな若手の成長を間近で見られることが、今の仕事の大きなやりがいです。
背中だけでなく、
自分の考えを言葉でも伝えられる先輩へ。
自分が理想の先輩になれているかと聞かれると、まだ全部はできていないと思います。
もっと厳しくした方がいいのか、本人が気付くまで待った方がいいのか。自分で気付いてほしいと信じる一方で、それで本当にいいのかと迷うこともあります。
若い頃にお世話になった上司の中には、厳しい時と普段の接し方のメリハリがあり、管理だけでなく現場でも頼られる人がいました。そんな先輩たちは、今でも自分の目標です。
ただ、自分は背中だけで語るタイプではありません。仕事への姿勢や考え方は、行動で示すだけでなく、言葉でも伝えていきたい。若手が迷った時に、少しでも道しるべになれる存在でありたいと思っています。
毎日なんとなく仕事をするのではなく、一人ひとりが目標を持って働けた方が、仕事はもっと面白くなると思います。若手にも、自分なりの目標を見つけ、一歩ずつ成長していってほしいですね。



印象的だった仕事
「魁」が自分を育ててくれた。
私にとって一番印象に残っている仕事は、「魁」のプロジェクトです。
約10年前、京浜ドックに在籍していた時に、日本初のLNG燃料タグボートとして建造された「魁」を担当しました。当時は経験も浅く、設備の配置や検査など、何もかもが初めての連続でした。周囲に教わりながら必死に取り組み、完成した時の達成感は今でも忘れられません。
その後、一度京浜ドックを離れ、再び戻ってきた時に待っていたのが、「魁」を世界初のアンモニア燃料タグボートへ改造するプロジェクトでした。初めて携わった船に、今度は新たな命を吹き込む。そんな巡り合わせに、運命のようなものを感じました。
工事全体を統括する立場となったものの、最初の仕事は、自分たちがつくり上げた船を解体することでした。エンジンルームを覆うケーシングを切り離した瞬間は、本当に切なかったですね(笑)。何ヶ月もかけて仲間と完成させた船を、自分の指示で壊していく。その複雑な気持ちは今でもよく覚えています。
だからこそ、「今まで以上に良い船へ生まれ変わらせたい」という思いは誰よりも強くありました。
LNG燃料船で培った経験は、アンモニア燃料という新しい挑戦でも力になりました。扱うものは変わり、さらに難しい工事ではありましたが、新しい技術への向き合い方や検査の進め方は身についていました。LNG燃料船で培った経験を土台にしながら、新しい技術にも対応できたと思います。
もちろん、新たに学ぶことも数多くありましたが、このプロジェクトをやり遂げたことで、「次に何が来ても大丈夫」そんな自信を得ることができました。
仕事のやりがい
船が岸壁を離れる瞬間の喜び。
工事が終わり、船を無事にお客様へ引き渡せた瞬間は、何度経験しても大きな達成感があります。
特に新造船の引き渡しは、特別な瞬間です。職人や関係者が岸壁に並び、出航する船へ手を振る。船上のお客様も笑顔で手を振り返してくださる。
何ヶ月も工場で向き合ってきた船が岸壁を離れていくと、大きな達成感とともに、少し寂しさも込み上げます。毎日のように目にしていた船が、ある日を境にそこからいなくなるのですから。
とはいえ、余韻に浸っている時間はなく、すぐに並行して建造している船の工事が始まります(笑)。それでも、無事に港を離れていく船を見送るたび、それまでの苦労が報われたような気持ちになります。

OFF TIME
会社の仲間とサッカーを楽しめることが、
休日の良いリフレッシュ
休日はフットサルやサッカーを楽しんでいます。
以前京浜ドックに在籍していた頃に、「FCKD」というサッカーチームをつくりました。自分が会社を離れていた間も、時々活動していたようですが、京浜ドックへ戻った後、同じ静岡出身の会社役員の方とサッカーの話で盛り上がり、「もう一度やろう」と声を掛けてもらったことをきっかけに、チームが再始動しました。
静岡にいた頃も、幼少期からフットサルやサッカーをしていました。サッカー観戦も好きで、ワールドカップも見ますし、地元・清水のチームをずっと応援しています。
今も会社の仲間とサッカーができることは、良いリフレッシュになっています。


MESSAGE
失敗してもいい。
挑戦した経験は、必ず自分の力になります。
学生の皆さんには、何事にも恐れず挑戦してほしいですね。若いうちは、失敗を恐れる必要はありません。
私自身、社会人になってから多くの失敗を経験してきました。そのたびに、自分に足りなかったことや、担当者として果たすべき責任を学んできました。実際にやってみなければ分からないことも多く、失敗も成長につながる大切な経験だったと思っています。
もちろん、今の立場では同じ失敗を繰り返すわけにはいきません。リスクを考えながら判断することも求められます。だからこそ若手社員には、「失敗してもいい。責任は俺が取るから、まずは挑戦してみろ」と伝えています。挑戦しなければ経験は積めませんし、成長の機会も生まれません。
京浜ドックの仕事は決して簡単ではありません。暑さや寒さの中での作業もあれば、覚えることも数多くあります。それでも、一つひとつの経験は必ず自分の力になります。周囲に支えられながら挑戦を重ね、その積み重ねが、やがて自信へと変わっていきます。
京浜ドックが求めているのは、最初から何でもできる人ではありません。挑戦する気持ちを持ち、一歩ずつ成長していける人と、一緒に働きたいと思っています。